【注目されています】学校の体育授業にテニスを!

「体育の授業にテニスが導入される」
最近、学校体育とテニス業界でにわかに注目されているのがコレですね。
新しい教育指導のあり方や指導体制の検討、そしてテニス・ビジネスのチャンスとして認知されています。

これまでの学校体育ではテニスは中学校からとなっていますが、これからは小学校・体育からの導入となりました。
その解説は以下の文部科学省の資料で読み取れます。
文部科学省HP:小学校学習指導要領(平成29年告示)解説「体育編」

これを受け、ラケット型スポーツを小学校に導入するアイデアも検討さています。
日本テニス協会HP:「小学校テニス型授業の取り組み」

日本テニス協会医事委員会副委員長で、テニスフォーラムの理事長でもある梅林薫氏(大阪体育大学)が、この動きについてテーマにした『体育科教育 2月号』(2019)にエッセイを載せています。
そのエッセイを以下に引用しました。
テニスと学校教育について詳細を知りたい方は、体育科教育2月号をご覧ください。


ラケット系スポーツの「競技スポーツ」「生涯スポーツ」両側面での発展を願って

大阪体育大学/日本テニス協会医事委員会副委員長 梅林 薫

最近のラケット系スポーツの世界での活躍には、目を見張るものがある。テニス、卓球、バトミントンの種目で、世界のトップ10に多くの選手が位置している。日本人は、昔から器用だと言われており、細かい動き、狭い範囲のプレイには適応能力があるのかもしれない。テニスでは、大坂なおみ選手が全米オープン女子シングルスで初めて優勝したことは記憶に新しい。

また別の話題性として、2016年11月に英国のスポーツ医学誌(British Journal of Sports Medicine)で発表された「長寿とスポーツ分野の研究」で、運動しない人に比べ、生活習慣病にかかるリスクが最も低かったのは、ラケット系スポーツを実施している人であり、ラケット系スポーツが健康に最も良いスポーツ種目であるとの報告がなされていた。

 このように、日本におけるラケット系スポーツについては、競技スポーツ、生涯スポーツとしても大いに発展・貢献していることが窺える。

 2017年の小学校新学習指導要領の解説の例示に「攻守一体プレイ」タイプのネット型ゲームが示された。数年前から、この「攻守一体プレイ」タイプについて、授業研究なども盛んに行われ、展開などについていろいろと議論されてきたようだが、相手から来たボールをワンバウンド(卓球・テニス)、ノーバンド(バドミントン・テニス)で直接返球するという単純なルール、そして全員が同じ動き(技能)を習得していくことなどが連携プレイよりもわかりやすいという意味で、学校現場でも取り組みやすい内容であると思う。ただ、ボールと用具を使って、お互いにラリーを行うということについては、なかなか上手くいかないのが現状であろう。ゲーム(試合)へつなげることに困難さはあるものの、プレイをしている側は、「難しいけれど楽しい!」と感じることも多くあるのではないかと思われる。

発育発達期において、3歳から8歳までは、神経―筋のネットワークが構築される時期、そして9歳から12〜13歳は「ゴールデンエイジ」ともいわれ、技能の即座の習得が可能な時期である。ラケット系スポーツには、走る、跳ぶ、投げる、打つなど基本運動が含まれており、コーディネーション能力(調整力)の向上などにも大きな効果がある。単にラケットスポーツ技能の向上だけではなく、他のスポーツ種目などにも関係する基本運動能力獲得にも十分に効果があるということだ。

そして何より、生涯スポーツ種目としても人気が高いラケット系スポーツを学校期で経験することで、将来的に手軽に取り組む人がさらに増え、ひいては、健康増進、そして長寿に繋がるということを考えると、その学習プログラム(教材)の開発や授業の取り組み方(実践)などの工夫を今後、大いに期待したいところである。2020年東京オリンピック、パラリンピックでのラケット系スポーツの活躍を楽しみにしている。

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