第15回テニスフォーラム

日程:2014年11月22日()23日(
場所:大阪体育大学(テニスコート,多目的体育館)
大阪府泉南郡熊取町朝代台1−1
テーマ:ジュニア選手の効果的な育成! 〜発掘から育成・強化〜
大会1日目
11月22日(
 9:00受付開始 体育館
 9:20開会式(体育館) 体育館
 9:30
ー12:00
 コーディネーション能力を高めるには!―理論と実践―
講師:荒木秀夫氏(徳島大学)
 体育館
12:00
ー13:00
 ランチタイム
13:00
ー14:30
ジュニア選手に対してのメンタルサポート―ドロップアウトさせない指導―
講師:菅生貴之氏(大阪体育大学)
 体育館
 14:45
ー16:45
ゲーム力をアップするための具体的練習法とは!
講師:井本善友氏(日本テニス協会S級エリートコーチ)
 テニスコート
雨天時:体育館
 17:00懇親パーティー レストラン
コーディネーション能力を高めるには!―理論と実践―
講師:荒木秀夫氏(徳島大学)

9:30~12:00

コオーディネーショントレーニング理論のパイオニア的存在である徳島大学の荒木秀夫先生に基礎的な身体の動かし方をご教授して頂きました.

たくさんの実験的実技から,平衡感覚の養い方や,合理的な身のこなし方,ボールの落下点の予測トレーニングなど,特にジュニア期で重要と考えられている巧緻性を磨く方法を実際に行なうことで理解することができました.
ヒトはあらゆる感覚器から情報を脳に送り,複雑な情報を瞬時に脳で処理し,神経を通じて筋肉を働かせます.そして筋肉が骨を動かすことで身体動作が生まれます。予測を含めたこの一連の流れを円滑にするコオーディネーショントレーニングは今後もテニス経験の浅い初心者においても有効に活用できる可能性があります.
荒木先生のユーモラスを交えた表現力には参加者からは笑みがこぼれ,会場は終始なごやかな雰囲気で包まれていました.

参加者のテニス現場における疑問などについても真摯に聞いてくださり,充実した時間となったのではないでしょうか.

ジュニア選手に対してのメンタルサポート

―ドロップアウトさせない指導― 
講師:菅生貴之氏(大阪体育大学)
13:00〜14:30

国立スポーツ科学センター(JISS)でオリンピック選手などトップアスリートを対象としたメンタルサポートの経験をもつ菅生貴之先生に,ジュニア選手に対するメンタルサポート「ドロップアウトさせない指導」と題して講演を頂きました.

冒頭,ジュニア選手,だけでなく人間にとって「スポーツ」がどういう価値を持つものなのか?という視点を,特に子供を相手にする指導者は持っておくことが大事であることから話が始まります.
指導者はテニスの指導を通じて子供たちに「スポーツ」の楽しさを伝えることが使命であり,彼らの人生においてスポーツがより良いものとして位置づけられることを目指すということに,メンタルサポートの要点があるのです.
指導者に役立つ実践的なメンタルサポートのアイデアもご紹介いただき,参加者にとって有意義な時間となったのではないでしょうか.

ゲーム力をアップするための具体的練習法とは! 
講師:井本善友氏(日本テニス協会S級エリートコーチ)

14:45〜16:45
竹内庭球研究所でトップ選手の育成を行なっている井本善友氏を迎え,具体的練習法に焦点を当てて参加者の指導スキルアップに取り組みました.
まずは井本氏による練習方法のアイデアを紹介してもらいます.実際のテニスのゲームで活きる動きや戦術を養うことを主眼に置き,そこからこそ何を成すべきなのか練習する課題が出てきます.
後半では参加者をグループ分けし,そこでオリジナルの練習法を作り出すトレーニングに取り組みました.
「ゲーム力をアップさせるとはどういうことか?」に着目した,参加者のアイデアと工夫を共有することができました.
このセッションの密度の高い時間は,参加者にとって非常に有益だったことと思います.
 
 
懇親パーティー
17:00〜
講師の方々と参加者がお酒を酌み交わしつつ,テニス指導法や今後のテニス界の展望について語らう時間を過ごしました.
 
大会2日目
11月23日(
 9:00 受付開始
 9:30
ー12:30
戦術を高める効果的な練習法
講師:宮地弘太郎
テニスコート
雨天時:体育館
 12:30
ー13:30
ランチタイム
 13:30
ー16:30
テニスのパフォーマンスを高めるためのコンディショニング
メディカル面とフィジカル面からのサポートによる実践
講師:米谷泰一氏(大阪大学)
講師:梅林薫氏(テニスフォーラム,大阪体育大学)
講師:今西平氏,鈴木奈都美氏(テニスフォーラム)
体育館
戦術を高める効果的な練習法 
講師:宮地弘太郎氏
9:30〜12:30

アフタージュニアと呼ばれる大学生の年代を対象とした指導内容について取り上げて頂きました.

冒頭,講義形式で「50位以内にランキングしている選手のテニススタイルとは何か?」ということについて,映像を交えて学びます.また,2014年全豪オープンやUSオープンでの錦織選手のサービスやリターンのデータを基に解説をいただきました.
続くオンコートでの講習では,「コートの大きさに制限をかける」「ポジション,球種,コース」ということに焦点を当てた練習の工夫とアイデアをいただきました.コートを制限した練習からフルコートでの練習への持っていき方,無理な体勢からショットを打つ能力を高める重要性が説かれました.
常に一定ではないゲーム状況や対戦相手に対し,どのような想定とその練習が必要なのか学ぶことが出来たのではないでしょうか.
 
 
テニスのパフォーマンスを高めるためのコンディショニング
メディカル面とフィジカル面からのサポートによる実践
講師:米谷泰一氏(大阪大学)
講師:梅林薫氏(テニスフォーラム,大阪体育大学)
講師:今西平氏,魚田尚吾氏,鈴木奈都美氏(テニスフォーラム)
13:30〜16:30

今大会の最後のセッションでは,ジュニア選手のコンディショニング方法に焦点を当てた講義&実践について,テニスフォーラム及び関西テニス協会から提言させていただきました.

メディカル面からは関西テニス協会より大阪大学の米谷泰一氏をお招きし,ジュニア選手が抱える医科学的なリスクとその予防方法について解説をいただきました.指導現場でもすぐに役立つメディカルチェック方法を中心に紹介があり,ケガ予防やリスク回避の参考になったことと思います.
フィジカル面からは,テニスフォーラム委員の今西平氏,魚田尚吾氏,鈴木奈都美氏から発育発達に応じたトレーニング方法とその体力テスト方法についての解説がありました.

子供を対象としたトレーニングは,発育発達を考慮することでより効果的で安全なものとなります.この発育発達段階に応じたトレーニングについては,魚田尚吾氏から実技を交えて紹介がありました.
発育発達段階を考慮した練習やトレーニングのためには,フィジカルチェックが必要となります.このテスト方法について,鈴木奈都美氏から実践的な紹介がありました.
今回ご紹介したメディカルチェック,フィジカルチェックを行なってもらうことで,選手の縦断的かつ横断的な評価が可能となります.