長寿と健康に最も貢献するスポーツ、それがテニス

第20回テニスフォーラムにおいて詳しく紹介した「テニスと長寿」

「テニスをやっている人が最も長寿だった」

デンマークの研究グループがそんな調査報告を出しています。

第20回テニスフォーラムにおける、蝶間林利男(横浜国立大学名誉教授・テニスフォーラム会長)のセッションでも紹介した内容です。

 

コーチの皆様は、指導対象者にぜひ教えてあげてください。

テニスに取り組むモチベーションが高まるかもしれませんね。

 

その研究は、Peter Schnohr氏らが発表した「arious Leisure-Time Physical Activities Associated With Widely Divergent Life Expectancies: The Copenhagen City Heart Study」。

研究データは以下より参照できます。

2018 Dec;93(12):

 

研究報告を抜粋すると以下のようになります。

 

研究では、「運動不足」の生活をしている人と比べて、スポーツ活動をしている人がどれほど健康的か、25年間の追跡調査をしています。

もちろん、どのようなスポーツをしていても健康に貢献することは確かなのですが、その中でも特に「テニス」がダントツで効果的だったのです。

スポーツジムでのフィットネスが+2年、ジョギングやスイミングが+3年ほどであるのに対し、テニスはなんと+10年

圧倒的な健康への貢献度を誇っています。

 

テニスが健康に貢献する理由

この報告の研究者らは、テニスが最も健康に貢献している理由を以下のように考えています。

まず、テニスに取り組もうとする人に経済的余裕があって、ストレスを抱えていない人が多いのではないか?ということ。

そして、テニスはジョギングやフィットネスなど「1人で取り組む」ものではなく、他者との関わりやコミュニケーションが求められることです。

実際、上の表を見ても分かる通り、「1人で取り組むスポーツ」は2〜4年ですが、「複数で取り組むスポーツ」は余命年数が大きいですよね。

 

また、運動強度(運動の仕方)も、一定の強度でずっと続けるものではなく、素早く動いて止まってを繰り返すタイプのスポーツが良いかもしれません。

最近ではインターバルエクササイズやタバタトレーニングなど、中高強度と低強度の緩急をつけた運動が体力・健康づくりに良いとされています。

 

あと、「ラケット」をなどの道具を使うスポーツが効果的である可能性も高いのです。

この研究に先立ち、イギリスの研究グループがこんな報告をしています。

スポーツの種類を6つのタイプに分けて、それぞれで心臓血管疾患の死亡リスクを比較したものです。

それによると、テニスなどのラケット用具を用いるスポーツは、その他のスポーツと比べて死亡リスクを大きく押し下げてくれます。

なぜラケットスポーツが効果的なのか、その理由はまだ明確ではありませんが、自分の身体以外のものを操る能力が必要になることが関係しているかもしれません。

 

つまり、健康や長寿にとってテニスは、

(1)丁度よい適度な運動強度が得られる

(2)自分以外の他者とのコミュニケーションが得られる

(3)道具(ラケット)を操作する必要性が得られる

といった点から、心身のコンディションに貢献してくれるのです。